2010年04月12日

21st Keynote100412 オンエアリスト(蒲野)

今月の21st Keynoteは「スワンプロック特集」です。

私、蒲野誠一、これまで色々なロックを聴いてきて、いわゆるAOR系やシンガーソングライター系と言われる人たちが好きだと思っていましたが、最近やっと自分の好みをハッキリと言えるようになりました。それが「スワンプロック」。

アメリカ南部の街で好まれるサザンロックの中でも、より泥臭く、よりブルージーなものを、南部の湿地帯の意味である「スワンプ」と呼んでいます。ニューオリンズのジャズや、メンフィスのブルースなどがロックンロールと融合して出来たスワンプロック・・・一度ハマルと、大阪弁のように染みついて抜けなくなりまっせ〜

Jessedavis_2
先ずは、スワンプロックのギターと言えば、この人!といっても過言ではない、Jesse ”Ed” Davisのセカンドアルバム「ULuLu」から「White Line Fever」。下手くそと紙一重のボーカルが良い味を出していますが、やはり神髄はギター。少しギザギザした感のある音色とウェットさの欠片もないフレーズは、スワンプ系のCDを手に取ればあちこちで聴かれる筈。しかし、1988年、43歳の若さで「ドラッグ死」。本当に、ドラッグはどれだけの才能をつみ取ったのでしょうか?

Donniefritts
スワンプの聖地、アラバマ州・マッスルショールズサウンドスタジオ。そこに集うスタジオミュージシャン達は「マッスルショールズギャング」などと呼ばれることもあるようです。その中のとびきり活きが良かったのが「デュアン・オールマン」。そんな「ギャング達」がよってたかって盛り上げたのが、ドニー・フリッツのデビューアルバム「Prone To Lean」。その冒頭「Three Hundred Pound Of Hongry」・・・なぜか、スワンプ系の男はみんなヨレヨレのボーカルですが、彼の弾くディキシー風のピアノがとっても楽しいですね。

Jeaniegreene
その、マッスルショールズサウンドスタジオのレコーディングエンジニアであり、ハウスミュージシャンでもある「マーリン・グリーン」さんの奥様が、こちらJeanie Greeneさん。細身で背が高く、お嬢様のような姿からは想像も出来ないソウルフルな歌声がココロを捉えて離しません。おそらく唯一のリーダー作「Mary Called Jeanie Greene」からスワンプの要素の一つでもある「ゴスペルフィーリング」もタップリな「Put On Your Good On The Line」をお送りしました。

Derekdiminos
ジャズ・ブルースの要素を下地にもつスワンプは、ココロに響く音楽だからでしょうか?アメリカ南部はイギリス人ミュージシャンにとって「憧れの地」だった様です。元トラフィックのDave Masonを始め、Eric CraptonやRod Stewartなど、錚々たる人たちがアメリカに渡っていきました。その窓口のようになっていたのが「デラニー&ボニー・ブラムレット」という白人夫婦。クリームでの人間関係に嫌気がさしていたEric Craptonは、2人のツアーに参加して本当に心癒される思いだったんでしょう・・・デラニー・アンド・ボニーのメンバーを引っこ抜いてDerek & The Dominosという覆面バンドを作ってしまいました。その代表曲がGeorge Harrisonの奥さんへの横恋慕を熱く歌った「レイラ」です。結局彼は彼女を奪ってしまう訳ですが、基本的にそういうのがお好きな人なんですね。若きデュアン・オールマンを全編にフィーチャーしている点でも注目のアルバムですが、この中から「I Looked Away」・・・

Georgeharrison
その、奥さんをとられてしまった元ビートルズのGeorge Harisson。その後も彼との親友関係は続いたと言うんですから、どんだけいい人なんでしょうか?その彼も、スワンパーの一人に数えられます。なんていっても、Derek & The Dominosのメンバーも全員参加し、3枚組ながらも全英・全米No1を記録した「All Things Must Pass」を作ったんですから。その中の一曲「Wah Wah」・・・オープニングのギターフレーズなんかはモロにスワンプなんですが、音造りはサスガにフィル・スペクター・・・まるで「Let It Be」の様です。ちょっと今回の番組では浮いてたかな?

Bonnieraitt
パート1最後は再び本場に戻って、Bonnie Raittさんに締めて貰いましょう。3rdアルバム「Takin My Time」・・・23歳の時ながら、ドスの利いた声は既にアネキの貫禄。プロデューサーで参加していたLittle Featのローウェル・ジョージと喧嘩して追い出しちゃったなんて武勇伝のオマケ付き。とはいえ、自身の豪快なスライドギターや、その他のLittle Featの面々が作り出すグルーヴィーな雰囲気は絶品。この中からオープニングの「You've Been In Love Too Love(愛に魅せられて)」を・・・

パート2では、少し面白い聞き比べを。
Rodstewrt 60000000buffalo

先月ご紹介した、白人女性のブルースシンガーとしてはパイオニアと言われるJudy Roderickが率いる60,000,000Buffaloというバンド。その唯一のアルバム「Nevada Jukebox」の中の「Maid Of Constant Sorrow」が気に入って何回も繰り返し聞いていたら、Rod Stewartのソロ第1弾アルバム「The Rod Stewart Album」に同じ楽曲が収められているのを思い出しました。コチラのタイトルは「Man Of Constant Sorrow(いつも悲しい男)」。歌詞が一人称なので、Judyが歌う際に「Maid(女)」に変えたのでしょう。

少しケルティック風味のあるバックにしみじみ歌うロッドと、カサカサに乾ききったサザンロックに載せてシャウトしまくるジュディ・ロデリック。どちらがお好きですか?

パート3では、ギター職人ことJeff Beckさん、7年ぶりのスタジオアルバム「Emotion & Commotion」をお送りしました。特に今回発売されたのが、スワンプ系アルバムを多数発売してきたATCOレーベルから・・・という因縁もありましたしね。
Jeffbeck
どれだけ成功しても、3枚同じ傾向のアルバムは作らないJeff Beckさん。今回はオーケストラと共演し、演奏曲もジャスのスタンダードからオペラの名曲まで・・・という驚きの内容。その中から、最近人気の女性R&Bシンガー「Joss Stone」をフィーチャーした「There's No Other Me」でした。

21st Keynote、5月の放送は5月10日、夜9時から。次回は「風光る5月は若葉萌えるころ・・・ということで、エヴァーグリーンなアコースティックナンバー」を特集します。お楽しみに!

posted by FM香川 at 11:48| Comment(0) | 蒲野 誠一 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする