2010年09月13日

21st Keynote 100913オンエアリスト(蒲野)

9月も中盤を迎え、朝晩の冷え込みがだいぶ秋らしくなってきましたね。夏の間やかましく鳴いていた鈴虫も最近全然鳴かないな〜と思ったら、いつの間にかメスだけに・・・。そんな、何もかもが遠くへ去っていくような気がする9月といえば「中秋の名月」。

今年は22日がその日なんですが、満月ではないそうです。天体の動きは自然のモノ・暦は人間が決めたモノですからそう言うことも起こるのですね。

ということで、今月は「お月様ソング」特集。ありがちで御免。

最初は、心静かな気持ちでお月様を眺めたい・・・という気持ちを込めてゆるゆるとスタート。Larsen/Feiten Bandの2ndアルバム「Full Moon」から「Twilight Moon」という一曲から。

Laesenfeitenbandfullmoon

オルガン奏者のNeil LarsenとギターでボーカルのBuzz Feitenの双頭バンドですが、2人とも「パネェほどのイケメン」ですので女性にもファンが多い彼等。AOR界のスーパープロデューサー Tommy LiPuma の手によるジャジーでスムース、非常にセンスの良いサウンドで人気を博しました。

ところが、このNeil LarsenとBuzz Feitenはもともと「Full Moon」というバンドを組んでメジャーでビューしていたのですが、こちらは残念ながら一枚きりで解散してしまいました。その後Larsenは先ほどのTommy LiPumaとのタッグでフュージョン色の強いソロアルバムで成功し、一方のBuzz Feitenはドラッグ中毒で70年代を棒に振った後カムバックし、再び手を組んだのがLarsen Feiten Band。そのセカンドアルバムが満を持して「Full Moon」とか・・・ややこしいですね。

バンドとしてのFull Moonはゴリゴリのロック色もありつつ、後のAOR路線の芽生えも感じさせる「Blue Eyed Soul」の先駆けといわれた名盤の一つですので、こちらもお聞きあれ。

Janisjoplinpearl
Vanmorrisonmoondance

変わって、グッとパワフルな「お月様ソング」をお聞き頂きました。まずは、Janis Joplinの遺作となるPearlから、オーリアンズのJohn Hallによる「Half Moon」をカバーした一曲。

Buzz Feitenは幸運にもドラッグから立ち直りましたが、Janisはこのアルバムの収録中にドラッグで命を落としてしまいます。この中にはアカペラの「ベンツが欲しい」とインスト楽曲の「生きたままブルースに葬られ」が一曲ずつ収められていますが、前者はリハーサル音源、後者は歌入れ前の「カラオケ」で、いずれも途中でJanisが亡くなってしまったための産物。人恋しい秋の夜には涙なしでは聞けない一枚ですね。

もう一曲はアイルランドの孤高のシンガーソングライター(SSW)、Van Morrisonの3rdアルバム「Moondance」からタイトル曲のMoondanceを。「今夜は君と一緒に、また月の光の中で踊ろう」というロマンチックな内容ですが、スィンギーなジャズテイストにシャウト気味のボーカルで、とてもそう言う雰囲気ではありませんね(笑)

Van Morrisonは偏屈者で大の飛行機嫌い。あまり海外に出ないため「来日していない最後の大物」と言われて久しいのですが、1964年にThemでデビューして以来46年、御歳65歳。もうこのまま来日しない方がカリスマティックでいいんじゃないでしょうか。

Nickdecaroitaliangraffiti

Petergallwaypetergallway_2

またまた雰囲気はガラッと変わって、クールなサウンドに・・・

先ほど出てきたスーパープロデューサー Tommy LiPuma、レコーディングエンジニアの Al Schmidt、そしてストリングスアレンジの Nick DeCaro、私、蒲野はこの三人を勝手に「AORの黄金のトライアングル」と呼んでおりますが、アルバムのクレジットにこの誰かが載っていたら「買い」といっても過言ではありません。勿論、三人揃っていたらリーダー名義が誰であれ買うべきというくらいの人達です。

もちろん、このアルバム「Italian Graffiti」は3人が揃い踏みどころかリーダーが Nick DeCaro・・・という、まさにLight & Mellow、AORのお手本のようなアルバムです。この中から中性的なNick DeCaroのボーカルも冷ややかな「Under The Jamaican Moon」。

因みにこの曲はStephen BishopとLeah Kunkel(LAの名ドラマー Luss Kunkelの妹)の共作で、Leah Kunkel自身もセルフカバーしておりますが、こちらはもっと「熱帯夜的」で、怪しい仕上がりであります。そちらはまた何処かの機会にお聴かせ致しましょう。

★★

そしてもう一曲はフォーキーなナンバーでしたが、これは東海岸の名バンド Fifth Avenue Bandのボーカル Peter Gallwayのソロによるセルフタイトルアルバムからの一曲。

この曲に直接「月」や「月の光」の描写はありませんが、深夜のベッドで、横に眠る彼女の白い肌を見ながら幻想的な思いにふける男の歌。ここに月光が降り注いでいない訳はありませんね?タイトルも「Moonsong」だし。

このアルバム、アルバムジャケットのイメージからでしょうか?とても「木のぬくもり」を感じる楽曲が多く収録されています。静かに目を閉じて聞いていると、薪ストーブの上のヤカンが「シュンシュン」と湯気を立てている景色が浮かぶような・・・だから、とても寒い冬の夜に聞きたくなる一枚です。

そしてPart-1 最後の一曲は、タイトルにも歌詞にも何も月は関係ありませんが、ジャケット繋がりで選んできました。Barry Mannと言う人の「Survivor」というアルバムです。Barry Mannは古き良きアメリカンポップス時代の作曲家です。作詞家で奥様のCynthia Weilとのおしどり夫婦ぶりも有名で、Carole King / Gerry Goffinと並ぶアメリカ最強の作曲家チームであり、このアルバムでも殆どの楽曲が2人の共作です。

Carole Kingと同様に、70年代は自らもアルバムを制作するSSWとして活躍しましたが、如何せん地味に過ぎたのか近年になるまであまり注目されることはありませんでした。今ほどBarry Mannが注目されるようになったのは、やはり山下達郎さんの「宣伝」が大きかったのではないかと、蒲野は考えております。

Barrymannsurvivor

ところで、このジャケットのイラストを見ていると、昔、美術の教科書に出ていた「アンリ・ルソー」の「眠れるジプシーの女」を思い出します。僕はこの絵がなぜか凄く好きで、Barry MannのSurvivorを初めて見たとき、強く惹かれました。

Rousseau_bohemienne

手に入れて聴いてみると、ピアノの弾き語りを中心に、ミドルテンポで、「Blue Eyed Gospel」とも言えるようなしみじみとした楽曲が一杯詰まっていました。「真夜中、犬だけを観客に人生の悲喜交々を歌う」・・・まさにジャケットのイメージそのままのアルバムでした。

曲は「Taking The Long Way Home」・・・遠回りの家路(人生のメタファーです)を、深い声で朗々と歌うBarry Manの声を聴いていると、なんだかその頭上には、満月が煌々と光り輝いている風景が浮かびませんか?

「月がとっても青いから、遠回りして帰ろう〜♪」ってな感じ・・・

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パート2は、お得意の「連想ゲーム」パターン。決してネタ不足をごまかす方便じゃありませんからね。

お月様といえば、「団子」「芋煮会」・・・とは、千津ちゃんの連想。喰いモンばっかりやがな!お月様といえば、オオカミ・ヴァンパイア、そしてゾンビでしょうが!

そしてゾンビといえば、Michael Jackson・・・ NO !

21st Keynoto的にゾンビ・・・といえば、このアルバムです。
Johnfogertyeyesobthezombie

ゾンビ・・・というよりは狼男という感じですな。

このアルバムは、Creedence Clearwater Revival(CCR)のボーカルだったJohn Fogertyさんのソロアルバム「Eyes Of The Zombie」です。86年の作品で、流石に今から聴くとシンセの音がチープでイタダケませんがそれだけにあまり評価が高いアルバムではありません。

John FogertyはLA生まれですが、南部・スワンプミュージックを思わせるような、熱いボーカルが売り物ですが、実はこのアルバムも、どっちかというとオーソドックスなロックナンバーが一杯で、そんなに悪いアルバムじゃないんですよ。

残念ながらタイトルナンバーは「負け組(笑)」の方だったので、「お月様繋がり」はアルバム全体・・・ということにして、「夜通し起きてて頭ガンガン。新聞にゃどでかい事件が載ってて滅茶苦茶な一日が始まりそうだぜ」という、如何にもロックなナンバー Headlines をどうぞ。

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Part-3では、私が一緒に仕事をしている大阪のSSW・Nさんが「今年のベストアルバム(9月現在)」と言い放ったアルバムをご紹介しましょう。

Lee Ritenourというと、80年代フュージョン全盛期に「ギターの貴公子」と言われた人で、Steely DanやCrusadersで有名なLarry Carltonと人気を二分したギタリストです。ただ、テクニックに走る嫌いがあって、「おれたちゃ、こんなに凄いことが出来るんだゼ」みたいな所が鼻につくと言って苦手な人も多いのは事実。そして、件のNさんもその一人。

そんな彼が「今年のベスト」と持ってきたのが、なんとそのLee Ritenourの最新アルバムと来たら驚かない訳にはいかないんですが、内容を聞けば納得しました。

アルバムのタイトルは「6 Strings Theory」ということで、ギターをキーワードに、ジャズ・ロック・ハードロック・ソウル・ブルース・・・と、あらゆるジャンルのアーティストを共演させ、自らを接着剤に結びつけてしまったその手腕に脱帽・・・ということでした。

Leeritenour6stringstheory

クレジットをざっとみてみても、ジョージ・ベンソン/ジョン・スコフィールド/パット・マルティーノ/スティーブ・ルカサー/ニール・ショーン/スラッシュ/BBキング/ロバート・クレイ/タジ・マハル/ヴィンス・ギル/ジョー・ボナモッサなどなど・・・なんと、日本代表(そんな位置づけなのかな?)としては布袋寅泰も参加している、と。よくもまぁ、それだけ集めたものだと感心します。

果たして、その仕上がりたるや、Nさんの言うとおり、格好良くて、渋くて、素晴らしいアルバムになっていました。勿論、こういったオールスター・オムニバスものにありがちな「ソコソコ感」を感じる人もいるでしょうが、それでもレベルはかなり高いところにあります。

少なくとも、同時期に出たLarry Calton & Tak Matsumotoよりは断然聴き応えがあるはずですよ。

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今月の21stKeynote、如何でしたか?
来月は「実りの秋、お酒が美味しい季節」ということで、酒の飲めない蒲野がお酒にまつわる名曲を集めてお送りします。

放送は、10月11日(月・体育の日)、21:00〜 お楽しみに!!

posted by FM香川 at 20:59| Comment(0) | 蒲野 誠一 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする