2011年07月11日

21st keynote 110711OAリスト (ウェストコーストロック)

今週の放送では、天気予報では「梅雨明けしてない」筈だったのに、先週末に開けてしまい、番宣がとても間抜けになってしまいました。さすがに今日の番宣は差し替えましたけど・・・やっぱり録音番組で天気の話はダメですね。



さて今月の21stKeynoteでは、青空が眩しいこの時期にふさわしく、また先日お亡くなりになった西海岸のシンガー・ソング・ライター(SSW)、Andrew Goldさんへの追悼も込めて「West Coast Rock」特集でございます。



その前にお話しする必要がありますが、今年の春から初夏にかけて、アメリカ音楽界は次々と偉大なミュージシャンを亡くしております。



まず4月26日に、ソウルフルでありながら都会的なセンスを感じさせる女性SSW、フィービ・スノウさんが享年58歳。5月8日には、R&Bやソウル系のギタリストで、70年代スタッフのメンバーとして大人気を誇ったコーネル・デュプリーさん、彼は享年68歳。そして、先月6月3日アンドリュー・ゴールドさんがガンの為亡くなりました。彼は享年59歳です。



この皆さんは、70年代から今まで、素敵な音楽で僕達を楽しませてくれた人たちですから・・・冥福をお祈りするのは勿論ですが、感謝という言葉を送りたいと思います。



ということで、今日はAndrew Goldさんの最大のヒット曲、1976年セカンドアルバム「自画像」から、全米7位のヒット曲「Lonely Boy」からスタートです。



Andrewgold2

M:Lonely Boy / Andrew Gold

このアルバムは、ジャケットが「間違い探し」になっています。ただ、雑誌によくあるようなものではなくて、このジャケットの絵そのものがオカシイんです。因みにアルバムの原題は「What’s Wrong With This Picture?」で、「この絵の何がオカシイでしょうか?」ということになりますね。



最初、このタイトルの意味さえわからなくて、山弦の番組を担当していた当時、ギタリストの佐橋佳幸さんに訊いてやっとその意味が分かりました。(また、エライ人に聞きましたねぇ)。いくつか判りやすい答えを書いておきますと・・・



1:二つある窓の向こうに見える海の水平線の高さが違う
2:閉じた右の窓のカーテンが風になびいて、左は開いてるのになびいてない
3:手前のエレキギターのケーブルが、後ろにある電話機とつながってる



などなど、32箇所もおかしなポイントがあるらしいのですが、これ以上は本当に難しいです。特にCDでは見つけにくいので、アナログ盤でチャレンジするのがいいでしょう。答えはずっと非公開でしたが、2005年の本国での再発時に彼自身が正解を公開しているので、「間違い探しが気になって音楽が落ち着いて楽しめない」という人はこちらでお確かめください。



さて、ここで彼の簡単な経歴をご紹介しておきますが、実は彼は音楽的にはサラブレッドとも言える家庭環境に育っています。



Andrew Goldさんは1951年の8月、バーバンク生まれです。バーバンクといえばワーナー・ブラザーズのお膝元の「映画の街」ということで、ご両親共に映画音楽の仕事をしていました。お父さんは音楽作家のアーネスト・ゴールドというひと、お母さんは、映画マイ・フェア・レディのオードリー・ヘップバーンなど、当時全盛のミュージカル映画で、主役が歌うシーンの吹き替えをほとんど一手に引き受けていたという大物歌手、マーニー・ニクソンという人です。



彼は60年代終わりにロサンジェルスのフォーク・シーンに身を置いて、ウェンディ・ウォルドマン、カーラ・ボノフ、ケニー・エドワーズとの4人でブリンドルというバンドを組みますが、これは色々あってお蔵入りしてしまいました。しかし、このメンバー達はその後のウェストコーストロックの重要なミュージシャンになっていきます。



中でもアンドリューさんはギター・ドラム・キーボードなどなど、何でも自分でこなすマルチプレーヤーであり、1976年には既にあちこちのセッションに呼ばれて、結構な大物歌手のバックにクレジットされています。続いて、そんな2曲をお聴き頂きましょう。



MariamukldaurLindaronstadt

M:Vaudeville Man / Maria Muldaur
M:You’re No Good / Linda Ronstadt



アコースティック・エレクトリックギターは勿論の事、ウクレレ・ピアノ・ドラム・・タンバリン・バックボーカル・・・たまにハーモニカも吹く、という感じで、そのマルチプレーヤーぶりがロサンザルス界隈でのレコーディングで重宝がられたのが、彼の新人時代の姿です。ただ、概してそういう人って器用貧乏になってしまって、自分のことは疎かという場合が多いのですが、彼はやはり「運」がありました。



さっきご紹介したブリンドルというバンドの仲間だったケニー・エドワーズがリンダ・ロンシュタットのレコーディングに参加することになって、アンドリューやカーラ・ボノフといったバンドメイトを推薦したのです。リンダ・ロンシュタットとケニー・エドワーズは下積み時代を共にした仲間だったという縁ですが、アンドリューさんにとっては、ここが大きなターニングポイントになりました。やっぱり持つべきものは友・・・ですね。



その作品こそが、リンダがキャピトルからアサイラムに移籍する前後にリリースした「Heart Like A Wheel」です。この中で彼は、あらゆる楽器の演奏をこなす、まさに八面六臂の大活躍をします。特に、彼がオールディーズ大好きだったこともあって、この作品の中でエバリー・ブラザーズの楽曲を一曲カバーし、それまでカントリー系の楽曲が中心だったリンダのレパートリーにオールディーズのカバーという新しい「売り」を確立させます。更にそれが、後に「It’s So Easy」という大ヒットに繋がっていきました。



リンダの絶対的な信頼を得て、ここから「悲しみのプリズナー」「風にさらわれた恋」「Simple Dreame(夢はひとつだけ)」と、彼女の黄金時代といえる作品群に絡んでゆき、ついでにリンダとの恋の浮名も流しちゃう・・・という、まさに順風満帆です。



リンダ・ロンシュタットといえばロスの「女ボス」的な存在だけに集まるスタッフも一流で、そんな中からスティーブン・ビショップやJDサウザーとの交流も深まっていきました。勿論、ブリンドルのカーラ・ボノフも、リンダのお気に入りのライターになっていきますが、彼女のデビュー作にも当然、アンドリューさんは殆どの楽曲に絡んでいます。



では、その中から彼のエレクトリックピアノが、なんともAORという雰囲気を醸し出す「Isn’t It Always Love(恋じゃないかい?)」、続いて、西海岸のSSWの中ではトップクラスの人気を誇るスティーブン・ビショップ、不朽の名作「Careless」から、これまたAORの極め付きの名作「On And On」をお送りしましょう。



KarlabonoffStephenbishopjpg

M:Isn’t It Always Love/ Karla Bonoff
M:On And On / Stephen Bishop



On And Onでは、エレクトリックギターで参加したアンドリューさんですが、スティーブン・ビショップさん自身もギターの名手ですから、ちょっとここでは地味なサポートに徹しております。彼はそういう「縁の下の力持ち」的な存在の時にすごく光る人です。だから、正直言って彼のリーダー作というのは、ちょっと地味・・・最初にご紹介したセカンドアルバム、「自画像」からのヒット曲、Lonely Boyが全米7位になったにもかかわらず、アルバムは95位、一番売れたアルバムは次の作品で、それでさえ最高81位までしか上がっておりません。



一方、裏方に回った作品では、リンダ・ロンシュタットの一連のアルバムは軒並み全米No1〜3を記録していますし、あの矢沢永吉さんがアメリカ進出したときのプロデューサーがアンドリューさんだったというのは、有名なお話です。



そんなアンドリューさんですが、そのソロアルバムには、大好きなオールディーズや映画音楽から影響を受けた親しみやすくて叙情的な佳曲ぞろいで、彼もまたAORの代表的SSWです。



最後にそのデビューアルバムから、一曲目を飾るおもいっきりメロウでロマンティックな作品をお送りしましょう。That’s Why I Love You、直訳では「あなたを愛する理由(わけ)」、邦題「そよ風のきみ」です。



Andrewgold1

M:That’s Why I Love You(そよ風のきみ) / Andrew Gold



おまけ:本日のBGMは、定形部分を除いてすべてAndrew Goldさんが携わった作品を使用しています。



JdsoutherCarlysimonArtgarfunkel

J.D.Souther/ Carly Simon / Art Garfunkel




☆Part-2☆



さて、先日お亡くなりになったアンドリュー・ゴールドさんの追悼の意を込めてウェストコーストロック特集をお送りしております、本日の21st Keynoteですが、Part2でも、もう少しアンドリュー・ゴールドさんに関連したアルバムを取り上げましょう。



「自分が全面に出るよりもバックアップに回ったほうが光る」アンドリューさんらしく、彼の携わった仕事を追うだけで、ウェストコーストロックを網羅出来てしまうのですが、そんな広い交友関係の中から面白いことに発展したのは、I’m Not In Loveで有名なUKのバンド、10c.c.との仕事です。



アンドリューさんは80年代に入ると人気が低迷し、アサイラムから契約を切られてしまいます。そこで流れを変えようと思ったのか、10c.c.のグラハム・グールドマンをコンビを組んで「Wax」というバンドを結成しますが、音的にはいかにも80年代のUKポップという感じなので、ここでは紹介しません。



それよりも、90年代のに入ってからの作品ということでPart-1では遠慮した作品をここでご紹介しましょう。勿論、あの、幻のバンド「ブリンドル」です。



1970年、アンドリュー・ゴールドさんはこのバンドからキャリアをスタートさせていますが、その時のバンドメンバーが、リンダ・ロンシュタットのバンド「Stone Poneys」で一緒だったベーシスト、ケニー・エドワーズと、清楚でいてかつ芯の強い女性SSW・カーラ・ボノフ、そしてマリア・マルダーやランディ・マイズナーへの楽曲提供で知られる女性ソングライター、ウェンディ・ウォルドマンの4人です。彼らは後にLAの音楽シーンで重要な位置を占めていく人たちであり、当時からの力量もありましたから、ロスの一流ライブハウス「トルバドール」での演奏が話題になっていきましたが、契約のゴタゴタでシングルを一枚出したきりで解散してしまいます。



そんなこんなで苦い思い出のブリンドルですが、それぞれがシンガーやソングライター、プロデューサーとして成功を収めて、90年代に入ったある日、4人がアンドリューさんの自宅で集まって「もう一回やろうよ」ということになりました。



特にプロデューサーで成功したりすると、つい「当時の感覚を今のテクノロジーで再現したら・・・」なんて言いたくなりますが、95年に製作された「デビュー・アルバム」は、うかうかと聴いてたら「幻のデビューアルバムの音源が発掘されたか?」という位、実にノビノビとした「70年代サウンド」を展開しております。お互いにビッグネーム同士ですから、儲けも気にする必要はなかったからでしょうか?



特にウェンディのボーカルによる一曲目のタイトルがいいです。「Take Me In」・・・もし私があなたの家の懐かしい玄関に立っていたら、あなたはまた昔みたいに迎えてくれるかしら・・・なんという奥ゆかしさ!キュンと来ますね。



またこのバンドはパーマネントな活動を念頭においたもので、その後セカンドアルバムも作られています。来日もしましたが、残念ながら昨年8月にケニー・エドワーズさんが亡くなって、今年アンドリュー・ゴールドさんも亡くなってしまったので、このハートウォーミングなバンドの新作がもう作られないのはとても残念です。では、この25年目のデビューアルバムBryndleからWe Walked This Roadをどうぞ。



Bryndle

M:We Walked This Road / Bryndle



「僕たちはこの道を歩んできたんだ・・・」このタイトルも再結成に向けた彼らの想いを表しているようで、いいですね。





☆Part-3☆



今月は新譜のご紹介をお休みして、先月決定したEric ClaptonとSteve Winwoodのジョイント来日公演をご紹介しましょう。



クラプトンはもう説明しませんが、スティーブ・ウィンウッドはトラフィックというイギリスのバンドのギタリストです。雑誌・Rollong Stoneが選ぶ市場最も偉大な100人のシンガー」で33位という人でもあります。



スティーブ・ウィンウッドさんは、1964年・15歳の時に兄と一緒に「スペンサー・デイビス・グループ」に参加して「Keep On Running」というシングルで全英No1を獲得。スペンサー・デイビス・グループに3年ほど在籍した後、クラプトンと同様にアメリカ南部志向のブルースギタリスト、デイブ・メイスンらと「Traffic」を結成します。さらに1969年には、クリームを解散したクラプトンが結成した「Blind Faith」に参加・・・この時にも既に「大物同士の顔合わせ」としてかなりの話題になっていたわけですから、42年もたって、未だに騒がれるというのは凄いことですね。



さて、この二人・・・今回が初めての再会ではなく、2007年7月に、クラプトンの主催で行われたクロスロード・ギター・フェスティバルで再会し、Blind Faith時代の3曲を披露したほか、2008年2月にはNYのマジソン・スクエア・ガーデンでジョイントライブをしていますから、今回のライブはその流れを汲んだ物と言えそうです。今年5月には、ロンドンのロイヤル・アルバータ・ホールで5daysの公演をしておりますから、ついにそれが日本上陸!ということですね。何とこの二人での来日は初めてです。



多分最初で最後となるこの二人のジョイント来日は、11月17日の札幌を皮切りに12月2-3-6-7という東京・4daysまで、横浜・大阪・名古屋・福岡・広島・金沢と全12公演。チケット代もビッグで、S席12000円、A席1万円です。詳しくは、UDO音楽事務所のホームページをお確かめください。



では、エリック・クラプトンとスティーブ・ウィンウッドが、マジソン・スクエア・ガーデンで行ったライブ盤からPresence Of The Lord をお送りしましょう。



Ericclapton

M:Presence Of The Lord / Eric Clapton & Steve Winwood




  
次回は、夏休み・音楽で遠出しちゃおう!企画としてブラジル特集・・・「夏だからボサノバ」なんて在り来たりの特集じゃなくて「ムジカ・ポプラーレ・ブラジレイラ」、俗にいうMPB・・・つまり、ブラジルのポピュラーミュージックをご紹介します。



放送は年8月8日月曜日、夜9時です。お楽しみに!
posted by FM香川 at 16:04| Comment(0) | 蒲野 誠一 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

★ 勝手に夏休み ★ ナカイ

早々に“勝手に”夏休みをいただきました[E:coldsweats01]
出かけたのは7月1日金曜メディオの終了後。
“いつもと同じ”ように高速バスで関西国際空港へ[E:bus]
空港で最初に目に付いた“いつもと同じ”ではなかった・・その1
Jpg
ボケて見えない[E:coldsweats02]
実は関空のお手洗いではエアタオル
(手を洗って“ガーッ”と乾かす熱風の出るアレ)
節電の為にすべて切られていました。
      ↓
諸手続きを済ませ、ほどなく進んだ搭乗口
最初に向かうのは・・
Photo
ン?これ何て読むの??
Photo_2
“ドーハ”でした。

[E:airplane]ドーハ経由中欧4カ国のツアー、いざ出発[E:paper]

posted by FM香川 at 14:14| Comment(0) | 中井 今日子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする