2011年11月14日

21st keynote 111114OAリスト (プログレ特集)

いやいや、本当に寒くなりました。室内での活動が多くなる時期ですが、こんな時はレコード鑑賞で新しいジャンル開拓に励んでみてはいかがでしょうか?僕は、今回「プログレッシブ・ロック」に挑戦してみました。



先月の頭に、「ピンクフロイドのリマスター盤」がワールドワイドで復刻記念キャンペーン敢行中という話題を紹介したことでテーマにしたんですが、結構、期待するコメントを頂いたりして、軽くプレッシャーがかかっております。結構、プログレ好きの人って多いことに驚きました。



しかし、プログレ=長尺という事実もあって、今日は「プログレ四天王」と言われる4つのグループの代表作から一曲づつという、「ド定番」で終始することをお許しください。



そもそもプログレというのは、1960年代後半にイギリスから始まったロックの形態の一つで、ピンクフロイドの1970年作品「原子心母」の日本盤帯に記された「ピンクフロイドの道はプログレッシブロックの道」・・・というコピーが、世界で初めて使われた例だと言われています。



日本発の言葉でありますが、今は世界中で使われています。今なお、細分化が進んで、非常に捉えにくいジャンルですが、プログレ黎明期の最も重要なバンドがキング・クリムゾンです。この怪しげなジャケットで有名な1969年のデビュー作、「クリムゾン・キングの宮殿」から、オープニングを飾る「21世紀のスキゾイドマン」でスタートです。



Kingcrimson


M: 21st Century Schizoid Man / King Crimson



千津ちゃんのように、「あ〜、この曲聴いたことある!」と思った方も多いでしょう。プログレは大仰なテーマを持ったドラマティックな楽曲が多いので、テレビのバラエティやラジオ番組の、ちょっとフザケタ感じのBGMなんかでよく使われますね?因みに桑田佳祐さんの「やさしい夜遊び」の番宣では原子心母が使われています。



プログレッシブロックは、それまでのロックを基に、より多彩な表現を求めて実験的に生み出されてきたもので、それが進歩的=プログレッシブと呼ばれる所以ですが、特に芸術性を高めてクラシック音楽の方法論やオーケストラとの共演などを打ち出してきた事に共通点が見られます。EL&P(エマーソン・レイク&パーマー)の「展覧会の絵(ムソルグスキー)」など、一番有名な例でしょう。クラシックのような組曲になっていたり、一曲にも起承転結をハッキリつけて行くために、長くなるのは必然です。



先出の「プログレ四天王」の基本ベースもこういうところですが、それぞれに少しずつ方向性が違っています。先ほどのキング・クリムゾンはシンセサイザーやメロトロンといった、当時最先端の電子楽器を駆使して、テクニカルな方向性を打ち出したバンド。一方、これもプログレの大きな特徴の一つですが、「アルバム全体をひとつのコンセプトとして纏める」傾向にあります。



ロックの世界で、アルバムのトータルコンセプトを打ち出した最初のアルバムはビートルズの「Sgt.Pepper’s Lonely Hearts Club Band」と言われていますが、今考えると、あれは「『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』」という架空のバンドのライブ〜レコードというシチュエーションを統一した」・・・というトコロ止まりだったと思っています。



プログレのそれは、全体をひとつの物語でまとめたり、一つのテーマでまとめたり・・・という、もう少し踏み込んだものになります。特にその傾向が強いのが、ピンクフロイドです。「人間社会への批判を動物に例えたロック版鳥獣戯画・アニマルズ」とか、「あらゆる物と物の間にある壁・ウォール」・・・と言った感じ。



なかでも最も重要なアルバムが、ロック史上屈指の名盤と呼ばれる「The Dark Side Of The Moon」。これは「人間の中に潜む狂気」をテーマとした作品で、これ以後ピンクフロイドは人間社会や精神世界を深くえぐるようなトータルコンセプトの作品を作るように方向が変わっていきます。



このアルバム「狂気」は、ピンク・フロイドにとっては初の全米1位獲得となったほか、ビルボードの200位以内に15年間(741週)に渡ってランクイン。さらにカタログチャートでは30年以上(1,600週以上)に渡ってランクインすると
いうロングセラーのギネス記録を打ち立てた歴史的なアルバムです。そして、今またリマスター盤が今絶賛発売中ということで、まだまだ売れるんでしょうね、きっと・・・



何はともあれピンクフロイド「狂気」から、全米でも13位を記録した「Money」をお送りしましょう。



Pinkfloyd


M:Money / Pink Floyd

 

さて、ピンクフロイドがアルバム一枚のトータルコンセプトを重視したバンドだったのに対して、『バンド自体がトータルコンセプトを表現する媒体』であったYESをご紹介しましょう。



YESは、John Andersonの考える世界を実現するかしないか・・・が第一義的ですからメンバーチェンジも非常に激しくて、非常に不安定なバンドでした。John Anderson自身も3回脱退しているらしいです(笑)。ここでは、キーボードがトニー・ケイに変わって、マルチ・キーボーディストのリック・ウェイクマンの加入で、より多彩でドラマティックな構成の楽曲が実現し、一つのピークを迎えたとされる名作「フラジャイル・邦題:こわれもの」から、Round Aboutをお送りしましょう。



Yes


M: Round About / YES



YESといえば、40代の僕らでは、83年の大ヒット曲「Owner Of A Lonely Heart」が思い出されます。当時もプログレの「恐竜バンド」が復活!みたいな言われ方していた覚えがありますが、一聴するとハードでヘビーで、大仰な音作りなのに、コーラス部分はいかにもUKっぽくて美しくもある。もともと、ハードなサウンド+ダイナミックなボーカルというのがコンセプトだったので、昔からのファンも納得の楽曲だったわけですね。



さて、ではプログレ四天王、最後のグループは、ELPこと、エマーソン・レイク&パーマー・・・彼らは、プログレの一つの特徴であるクラシック志向が一番強いバンドです。ELPはギタリストがいないバンドで、キーボード奏者のキース・エマーソンがキーマンだったせいで、そういう方向になったのかもしれません。



本当はELPといえば、「タルカス」か「恐怖の頭脳改革」から選曲するのが定番ということになりますが、今回は「四部作」という最後期のアルバムをご紹介します。このアルバムはもう三人が気分的には分裂していて、それぞれのソロ作品を作っていた頃ですが、それをレコード1面づつ収録して、さらにELPとしての作品1面分(2曲)を加えたLP二枚組の大作でした。この中の「庶民のファンファーレ」がたまらなくカッコイイし、もう一曲グレッグ・レイクの朗々としたボーカルが魅力的な海賊・・・これもドラマティックな展開が魅力的な楽曲です。



Elp


M:Pitates / Emerson, Lake & Palmer



今回、プログレにこんなにしっかり向かい合ったのは初めてでしたが、素直にカッコイイと思いました。



プログレを調べると、本家イギリスとアメリカはモチロン、イタリアとかドイツ、フランス、オランダ、ベルギー、果てはブラジルまで、ありとあらゆる国でバンドが存在しますが、それだけ奥が深いジャンルといえるのではないでしょうか?




☆★Part-2★☆



第一部では「プログレ」の、様式の特徴の一つは、ロックとクラシックの融合・・・ということをご紹介しました。



何かと何かの融合というのはロックとクラシックに限らず、ロックとジャズ、ブルースとロックと色々ありますが、中には、「相性の良い悪い」はあると思います。「音楽にチカラを借りた愚痴・ブルース」とクラシックも、なかなかに融け合わない組み合わせです。プログレバンドのメンバー選びにも、そんな逸話がありました。



プログレは、実験の要素が強いせいか、結構どのバンドもメンバーの入れ替えが多くて、その都度「バンドメンバー募集」と相成るわけですが、ここで登場するのは「キング・クリムゾン」です。



キング・クリムゾンがデビューに向けてバンドメンバー募集を行ったときに応募してきた中に、のちに有名になる二人の男がいました。それがなんとエルトン・ジョンとブライアン・フェリーです。



エルトン・ジョンも確かにクラシックへの親和性はありそうな気はしますが、ここでは残念ながら「キング・クリムゾンには合わない」ということで、落選してしまいます。後に彼はポップス路線で大成功しますから、これは単なる相性・イメージの問題だったのでしょう。



そして、もう一人のブライアン・フェリー。この人も後に「Roxy Music」を組む有名な人ですが、この当時は女子校の美術講師をしながら制作活動を行う陶芸家でした。で、彼もこのオーディションでは落選してしまいます。ただ、当落の差は僅差だったようで、彼はキング・クリムゾンの事務所「EG」にかなり気に入られて「非常に惜しい人材だ」と絶賛されます。



結局、ブライアン・フェリーが当時組んでいたバンドのライブを見たEG関係者がマネージメント契約を取り付け、Roxy Musicとしてデビューを飾るわけですから、落選したとは言え、いいプロモーションにはなったようです。このロキシー・ミュージックも大変面白いバンドで、紹介しようとするとかなり時間を要しますので、またいつか違う形でご紹介しましょう。



プログレ周辺のバンドの御多分にもれずメンバーチェンジの多い「ロキシー・ミュージック」ですが、活動全体を通して一番評価の高いアルバム「AVALON」の中から、大ヒット曲「More Than This」をお送りしましょう。



Roxymusic


M:More Than This / Roxy Music





☆★Part-3★☆



さて、パート3、先月はトニー・ベネットのニューアルバムをご紹介しましたところ、「ディスコ特集だと思ったら、最後、ジャズになったのでびっくりした」というご意見を、さる方面から頂きました。



この番組は三部構成になっております。第一部はその月の特集のメインパートで、第二部は本来、私のレコード棚から名盤・珍盤をご紹介するコーナーでしたが、いつの間にか第一部の続編的な扱いになっております。
そして、このパート3は新譜を紹介するコーナーで、その月の特集とは関係ない雰囲気になっている場合が多くなっています。



確かに先月はディスコからジャズ・・・と、ちょっと飛びすぎましたかねぇ・・・と反省しております。が、しかし、今月もちょっと異質なコラボレーションをご紹介します。実はまたジャズなんですが、コラボレーションの一方がエリック・クラプトンなら許していただけますか?



そのコラボのお相手は、現代ジャズ最高のトランペッターの一人、ウィントン・マルサリスです。彼のお父さんはピアニストで、お兄さんのサックス奏者、ブランフォード・マルサリスはスティングとの共演でロック畑の人にも有名な方です。そして、弟にはトロンボーン奏者のデルフィーヨ、更にドラマーのジェイソン・・・と、言ってみれば、ジャズ界のビーチ・ボーイズかテイラー兄弟という、いわゆるサラブレッド。



特にウィントンはデビュー直後からクラシックとジャズの融合に熱心で、今ではクラシックの演奏者としても有名なほどです。考えてみれば「クラシックと融合」というのは、今日のテーマのプログレとも共通しますね。



今回ご紹介するアルバムは、今年の4月にNYのリンカーン・センターで開催されたコンサートのライブ収録で、エリック・クラプトンがブルースやジャズの名曲を取り上げて、ウィントン・マルサリスがアレンジを施したものだということです。



このアルバム「Play The Bluesには廉価版のCDもありますが、21stKeynoteとしてはDVDがセットになったバージョンをお勧めします。今回のライブは二人共かなりリラックスして、音楽を楽しんでいる様子がありありと聞き取れますが、逆に音だけでは「ゆるすぎるんじゃないの?」という散漫な印象になってしまいます。その点DVDになると二人の表情が見て取れて、「ギターの神様」とか、「ジャズの巨匠」なんて肩書きも関係なく、ただ音楽に身をゆだねる二人の男・・・という感じがよく伝わります。



ご紹介するのは、ご存知「レイラ」なんですが、これもクラプトンは最初ヤルつもりがなかったけど、ウィントン側のメンバーの強いリクエストで実現したってエピソードも、微笑ましいですね。



Wmec


M: Layla / Wynton Marsalis & Eric Clapton



ということで、今夜も21stKeynote、お楽しみ頂けましたか?あなたも「このアーティストを特集して欲しい」なんてリクエストがあればどしどしお寄せ下さい!



宛先は、お葉書の場合は郵便番号760-8584、FM香川、FAXの場合は087-837-7870、e-mailは、webmaster@fmkagawa.co.jpまで



次回は12月12日・月曜日、夜9時にお会いしましょう。次回のテーマは、年末らしく「2011年洋楽トピックス総ざらい」です。お楽しみに!

21st Keynote

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posted by FM香川 at 18:46| Comment(0) | 蒲野 誠一 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【世界へ羽ばたく“BONSAI”】 ★ ナカイ ★

いよいよ今週末から開催される
“第11回アジア太平洋盆栽水石高松大会(ASPAC)”

世界有数の盆栽産地である郷土から
世界に向けて、その魅力と実力を発信します。
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(写真は、先日高松丸亀町3町ドームで開催された“BONSAIカフェ”時の展示)
鉢の中の小宇宙・・とはよく言ったもの。
小さいながらも考えつくされた枝ぶりや、広がり・奥行きは、
文字通りの“奥深さ”世界観を醸しています。
アートの香川=自慢の“感性”を端整なフォルムに宿し、
BONSAIワールドの更なる発展が期待できそうですね[E:scissors]

posted by FM香川 at 11:36| Comment(0) | 中井 今日子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする