2012年01月09日

21st keynote 120109OAリスト (ベテラン達の新譜特集)

2012年、最初の放送、年も21stKeynoteをよろしくお願いいたします。



今年は僕ら、オールドタイマーな洋楽ロックファンは大忙し。ビーチボーイズが今年結成50周年ということで、再結成〜新譜とワールドツアーを4月に行うと発表していますし、ローリングストーンズもビートルズもデビュー50周年。そんな訳で、この2月にはポール・マッカートニーとリンゴ・スターが相次いでニューアルバムを発売します。



こんな洋楽ニュースを、番組Facebookページでご紹介しておりますので、ぜひそちらもあわせてご覧下さい。



21st Keynote






さて、今月の特集はベテランアーティストの新譜のご紹介。早速今日の特集の一曲目は昨年4月にリリースされましたポール・サイモンさんの5年ぶりのアルバム「So Beautiful Or So What」です。タイトル通り、本当に美しいアルバムなんですが、その後に「or So What(だからどうした?)」と続いているのが、ポール・サイモンらしく一筋縄ではいかないな・・・というところ。



このアルバムは、南アフリカのミュージシャンとコラボレートして、アフリカのリズムを取り入れたグレイスランドから25年、それに続いてブラジル音楽を取り入れた「リズム・オブ・セインツ」から21年・・・さらに自分のルーツであるアメリカのブルーグラスやゴスペルまで吸収し、高いレベルで結合させた作品として世界中から大絶賛され、ビルボードのチャートでは初登場4位を記録しました。因みに、ポール・サイモンは、御年70歳オーバーということで、それでいて衰えないクリエイティブ精神も絶賛の理由の一つです。



タイトル曲のサビで何度となく訴えかてきますが、「人生は自分で作っていくもの。それ自体は美しくて価値はあるが、価格では表せられない」という、何でもお金で解決したがる現代人への皮肉ととれるフレーズですね。全体に静かで美しい作品ですが、ここでは、躍動的なリズムで疾走する「ラブ・イズ・エターナル・セイクレッド・ライト」をお送りしましょう。



Paulsimon



M:Love Is Eternal Sacred Light / Paul Simon



ところで、ベテランの新譜といえば、面白いレーベルが一つあります。日本ではソニー系のエピックレーベルから発売されていますが、エピタフというレーベル。更にもっと言うなら、エピタフの中にある傍系レーベルのANTI(アンタイ)レーベル。



このレーベルは、昨年の5月頃に「ランブリン・ジャック・エリオット」という人のアルバム「I Stand Alone」をリリースしております。これは2006年リリースで、その年のグラミー賞にもノミネートされたというアルバムですから、厳密には「新作」でありませんが、日本では初リリースということでしたので、ここに含めてしまいます。



ところで、ランブリン・ジャック・エリオットとは誰か・・・といいますと、1940年代の大恐慌時代に活躍したウディ・ガスリーという人の弟子とでも言える人で、ボブ・ディランは、彼を「永らく行き分かれていた父親」とまで言って慕っています。50年代にはウディ・ガスリーと一緒にアメリカ中を放浪した、本物の吟遊詩人です。



勿論、ウディ・ガスリーは亡くなっていますが、ランブリン・ジャック・エリオットは、まだご存命で御年81歳。昨年、そのI Stand Aloneの国内盤を発売したのに合わせて、37年ぶりの来日があるはずでしたが、これは東日本大震災の影響で中止になってしまいました。大変残念ではありましたが、そんなバリバリ現役の人です。



アンタイは、ランブリン・ジャック・エリオットを今でも現役として扱っているのも凄いんですが、よくよくカタログを見ていると、2010年には、スティープル・シンガーズという、60年代に活躍したゴスペルグループのメンバー「メイヴィス・ステイプルズ」の新譜を出していたり、メンフィス・ソウルの重鎮「Booker T.Jones」の20年ぶりの新譜を2009年にリリースしたりと、よくもまぁ・・・という位、渋い人たちをリリースしております。



ただ、素晴らしいのはそこではなくて、それらの作品には、必ず、今の若手や中堅のミュージシャンが絡めていることで、メイヴィス・ステイプルズの場合はオルタナティブ・ロックの人気バンドWilcoのジェフ・トゥイーディーがプロデュースしていますし、Booker T. Jonesの2009年の作品には、やはりオルタナ系のバンド、Drive-by Truckersがバックバンドを務めていたりと、「古い酒袋に新しいお酒を入れる」ようなことするのが好きなレーベルなんですね。



昨年10月のTom Waitsの新譜「Bad As Me」もアンタイレーベルからのリリースですし今、21st Keynoteリスナーが最も注目すべきレーベルだと思います。



では、ここではランブリン・ジャック・エリオットのアルバムから、なんと、レッド・ホット・チリペッパーズのBass・フリーなどが参加している「ドライビング・ネイルズ・イン・マイ・コフィン」、そして、もう一曲はBooker T.Jonesの、こちらは正真正銘の新作「The Road From Memphis」から、若手ポストパンクバンド、The Nationalのマット・バーニンガーと、今のソウル界ナンバーワンシスターと言われるシャロン・ジョーンズをDuetで配するという、贅沢極まりないトラック、Representing Memphisを、2曲続けてどうぞ。因みに、Booker T. Jonesさんのアルバムは今年のグラミー賞ではBest Pop Instrumenntal Albumにノミネートしています。



Ramblinjackelliot Bookertjones



M:Driving Nails In My Coffin / Ramblin’ Jack Elliot
M:Reprsenting Memphis / Booker T. Jones



続いてご紹介するのはライ・クーダーさん。サザンロックからスワンプ系のアルバムには欠かせない、スライド・ギターの名手ですが、彼はもともと、先ほど出てきたランブリン・ジャック・エリオットの師匠、ウディ・ガスリーなど、大恐慌時代の労働者階級にスポットを当てた、古いルーツ・ミュージックをどこからともなく発掘してきて、新しい息吹を与えることに無常の喜びを感じるタイプの、渋好みのミュージシャンです。



そのライ・クーダーさんも昨年9月に新作をリリースし、こちらもグラミー賞のベスト・アメリカンアルバムに、The Bandのリヴォン・ヘルムの新作ライブ盤「Ramble at The Ryman」と共にノミネートしております。



ライ・クーダーさんは、99年にブエナ・ビスタ・ソシアルクラブでワールド・ミュージック探求の道に一区切りをつけて、2000年代にはアメリカの抱える様々な問題点を音楽を通して訴える作品を作っておりますが、今回のアルバム「Pull Up Some Dust and Sit Down」はテロや貧困、戦争など、現代のアメリカの問題をえぐるハードな内容となっております。



今回お送りする曲は、一昨年の6月、アリゾナ州で成立した不法移民の摘発を目的とした、史上最も厳しいと言われる新移民法へのプロテストソングです。外国人には登録票の常時携帯を義務付けて、怪しいと思ったら、警察はいつでも「しょっ引ける」という州法で、「人権侵害に当たる」として、オバマ大統領も裁判所に提訴する事態にまでなった法律です。



タイトルは「クイックサンド」といいますが、命からがら国境を抜けてアリゾナに着いたのに、そこはクィックサンド、泥沼みたいな所だった・・・という内容です。



Rycooder



M: Quick Sand / Ry Cooder



さて、Ry Cooderさんの紹介の時に、グラミー賞のベスト・アメリカンアルバム賞のノミネートで、元The Bandのドラマー、リヴォン・ヘルムさんのライブアルバムもノミネートされてるといいましたが、実は元The Bandといえば、ギタリストだったロビー・ロバートソンさんも、4月に5枚目のソロアルバムをリリースしました。残念ながらグラミー賞ノミネートはありませんが、Rolling Stones誌が選ぶ、2011年のベストアルバム50では10位になっていました。



The Bandの中でもロビー・ロバートソンは、どっちかというと、机にかじりついてるほうが好きなタイプで、次第に他のメンバーから浮いてしまって、最後には自ら放り出すような形でThe Bandを解散してしまった人ですから、The Bandのファンの中では彼が嫌いという人も少なくないようで、さらに、彼のそういう性格が関連しているのか、宗教的・民族的な縛りがあって、堅苦しい・聞いていてつまらない・・・という感じだったのが、今回はそういうのから吹っ切れた感じで、初めて「いい」と思った・・・なんて感想も、ネットでは見られました。



それに、今回はエリック・クラプトンが共演とか楽曲提供で結構深く入り込んでいたり、若手のオルタナ系バンド「ナイン・インチ・ネイルズ」のトレント・レズナーも参加しているのが、いい方向に作用しているかもしれませんね。



では、ロビー・ロバートソンさんの新作「ハウ・トゥ・ビカム・クレヴォヤント」から、The Bandのデビューアルバム「Music From The Big Pink」に収録された、ロビー・ロバートソンの代表作「The Weight」の再来のような「When The Night Was Young」をお聞きいただきましょう。



Robbierobertson



M: When The Night Was Young / Robbie Robertson




*****(Part2)*****



今日は、最近の人の中で、私が見落としていた素晴らしいボーカリストをご紹介しましょう。



イギリスの女性歌手でAdele(アデル)。昨年1月に「21」というセカンドアルバムを出しました。このタイトルはその時点での彼女の年齢を表しています。つまり、21歳という、若いミュージシャンです。



この作品が今年のグラミー賞では主要3部門を含む6部門にノミネートされております。今日の段階でも、ビルボードのアルバムチャートは通算14週間No1ですし、2011年、もっとも売れたアルバムとして認定もされるなど、来月の放送日である2月13日はグラミー賞の授賞式の日でもありますが、もう「アデル旋風」吹きまくりなのが確実です。



そんな人を見落としていたのは、デビュー作「19」で、本国イギリスでは勿論、ヨーロッパ各国のチャートNo1を総なめで、その年のビルボードも2部門受賞・・・などと騒がれたものだから、「あぁ、またティーンズ・セクシー・セレブ系ね」と思い込んでしまったのが間違いの始まり。



それが、グラミーのノミネート状況とか、雑誌での絶賛具合を見ていて、「これは、ちょっとタダゴトじゃないぞ」と感じて、Adele21を聴いて見ました。すると、アデルが、虚仮威し無しの「生身の歌」で勝負している、ホントの歌だったと気がついたのです。



しかも、12月にライブアルバムが出ましたが、その中でアメリカのブルース・ロックの女王、ボニー・レイットさんの「Luck Of The Draw」から「I Can’t Make You Love Me」をカバーしており、ちゃんとベテランへのリスペクトを忘れていなません。



ということで、今日から僕は、Adeleも絶賛応援して参ります。



では、そのアデルのライブアルバム「ライブ・アット・ロイヤル・アルバート・ホール」から、Someone Like Youという歌をお届けしましょう。



Adele


M: Someone Like You /Adele
(注:ジャケット写真は「21」のものです)




*****(Part3)*****



今日は、は21st Keynoteリスナーにこそ聴いていただきたい新人を二人、ご紹介しましょう。!



パート1からずっと言ってきているように、最近は若手ミュージシャンの間に「ベテランミュージシャンへのリスペクト」というか、原点回帰の時期が来ている様で、丹念に探していくと優れたミュージシャンが多く見つかります。



早速ご紹介していきたいんですが、まずは1月18日に日本盤がリリースされるイギリスの新鋭、エド・シーラン。本国ではデビューアルバムは1位を記録していますし、発売週にしてゴールドディスクを獲得しているという人気ぶりです。



プロフィールを見ていると「住所不定のストリート・シンガー」と、すごい触れ込みですが、要するに、彼は自作のれCDを作ってはライブ会場出て売りして、次のCD制作の資金作りをするそうで、年間300本以上のライブをこなして、殆ど家にいない・・・というのが真相のようです。それだけライブをこなしてたら実力もつくでしょうね。



そしてもう一人は、ピアノのシンプルな演奏とピュアな、真っ白なイメージの歌声・・・これは、ケイト・ブッシュを思い出す方がいらっしゃるかもしれません。この子は、Birdyという、やぱりイギリス出身のSSWです。なんと1996年生まれの15歳!



こちら、まだ日本盤の予定は未定ですが、既に輸入盤で話題になっておりまして、本国で発売中のアルバムには、さっきもブッカーTさんの所で出てきた若手ポスト・パンクバンド、The Natioinalやスマッシング・パンプキンのカバーなど、洋楽ファンが思わず唸るような玄人ごのみの楽曲が揃っているとのことです。



では、エド・シーラン、デビュー曲としては、イギリスでも最も売れたとされている「The A Team〜飛べない天使たち」、そして、Birdyは、Skinny Loveです。



Edsheeran Birdy



M:The A Team 〜翔べない天使たち / Ed Sheeran
M:Skinny Love / Birdy



今まで20年以上も音楽に携わってきましたが、こんなにいろんな方向で若手とベテランの融合が進んでる時期はありませんでした。2012年は始まったばかりですが、これからどんなふうになっていくか、目が離せませんね?



次回は2月13日・月曜日、グラミー賞授賞式の夜9時という、なんとも録音番組にはキツイ日のオンエアとなります。テーマは今回の続きのようですが、「2012年、ベテランシンガーは大忙し」という感じでお送りします。




お楽しみに!

21st Keynote

posted by FM香川 at 17:17| Comment(2) | 蒲野 誠一 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【13日金曜日の山崎MEDIOは・・】 ★ ナカイ ★

13日の786SUPER MEDIOは、
Mr.山崎の今年最初の担当日!

テーマは・・・
『ものの始まり』

です。

メッセージも待ってるよ[E:sign01]

posted by FM香川 at 10:46| Comment(0) | 中井 今日子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする